12月9日(全国放送は12日)に放送されたテレビ番組、NHK特報首都圏「生きる ~いのちのうた より子~」を観ました。

現在27歳のシンガーソングライター より子さんは、2歳で小児がんを発症し、右卵巣を全切除しています。そして22歳の時、残ったもう一方の卵巣に腫瘍が見つかりました。

「(基本的に卵巣を)全部摘出します。子どもももう産めません」と主治医から説明があったとき、「じゃあ、とっちゃってください」と答えたより子さん。軽く返したように聞こえるこの言葉の裏には、彼女の計り知れない苦しみや悲しみがあったと思います。「昔から覚悟はしていたから」涙をぐっとこらえながら話す姿が心に残りました。幸い卵巣は半分残すことができ、2006年6月に活動を再開。小児がんだったことを公表して、チャリティー活動へも積極的に参加するように。

作品の背景について、彼女は次のように語りました。

学校へ行ったり友達と接したりする中で、けんかや人間関係でなんだかんだありますよね。それが今の私のエネルギーとか、引き出しになっていることがすっごいいっぱいあって、全部が音楽に貯まっていく。何もかもが全部音楽に貯まっていく。
つらい苦しいという体験で、なんというか・・・私にとっては、決して嫌な思い出・記憶にならない体験なんです。自分がまだ進化したり成長したり、いろんなことに気づけるきっかけをくれてるんだと思うんです。
痛みとかが優しさを教えてくれてくれたりするし、強さが弱さを教えてくれる。全部、真逆なんですよね。何が悲しいかわかっているから、何が幸せかがわかる。そういうことをいつも教えられているのかなと思うんですよ。

彼女は、「あなたはこれからこういういろいろな試練があるけれど、お母さんは誰にしますか?」と問われても、同じ人を母親に選ぶと話しました。「それはこのお母さんだったら、どんなことがあっても乗り越えられるし、私も進んで行けるから」迷いのない言葉が返ってきたのです。彼女が病気になったことは自分のせいだと責めていた母親に、「あなたを選んで生まれてきた。一緒に闘ってくれたお母さん、ありがとう」やさしいメッセージを贈ったそうです。

「母親」はもともと強いのではなく、子どものために強くなれるのです。心が折れてしまっても、子どもの笑顔ややさしさがじんわりと心に染み入り、母親をより強させるのかな。

「苦しみを喜びに変えて 生きる勇気を届けたい」そんな彼女の想いが、小児がん経験者や親たちの心に響いています。今後の活躍にも期待し、彼女を見守り続けたいです。