次男は麻酔等一切使わずに髄注を受けました。マルクは全身麻酔です。
全身麻酔はリスクも伴い、プレドニンの副作用で食欲旺盛な時に絶飲食は辛い。麻酔が効かない子もいるそうで、局所麻酔をするために注射するくらいなら髄通1回で終わらせたい・・・。他の子はどうしているんだろう・・・。そこで、髄注(腰椎穿刺・ルンバール)処置時の麻酔使用についてみんなに聞いてみました。
【アンケート結果】100人に聞きました「マルク・髄注に麻酔や眠剤を使用しましたか?」
それだけでは満足できず、私が運営している別サイト「小児がん みんなの闘病記」でアンケート調査を開始。以下は10年前にとったアンケートの集計結果です(2008年1月1日投票終了)。
髄注(ルンバール・腰椎穿刺)の処置時の麻酔・眠剤の使用について
髄注処置時に麻酔や眠剤を使用した方が100人中84人もいました。使用しなかった方の理由は医師の判断が多く、本人または家族の希望で麻酔などを使用しなかった方が2人。麻酔等の効果は、よく効いて眠っていたのは半数ほど、全く効果がなかったケースも2人ありました。
マルク(骨髄検査・骨髄穿刺)の処置時の麻酔・眠剤の使用について
マルク処置時に麻酔や眠剤を使用した方が71人中59人、使用しなかた方が12人。医師の判断で麻酔などを使わなかった方が8人、本人または家族の希望で使わなかった方が4人。
マルクで麻酔なしって、本当ですか!?と疑いたくなる結果です。かなり太い針を骨に刺すんですよ。恐ろしい・・・。そして、麻酔をしたにもかかわらず、完全に眠っていた子が半数を切っているだなんて。
麻酔なしで痛みや恐怖を軽減させる方法
「麻酔なし」という主治医の判断と説明に納得しましたし、次男の場合はそれでよかったと思っています。それは、麻酔をしなくても痛みや恐怖を軽減できたから。
次男に、どのように処置をするのか説明をしました。ぬいぐるみを使ってわかりやすく話し、どうしたら痛い思いをする時間が短くなるのか、次男ができることは何かを一緒に考えました。次男は、先生や看護師さんは自分をいじめていると思っていたので、それは違うこと、動いて痛い思いをしないように助けてくれるだけだということを話しました。
それでも嫌なものは嫌。じゃあ頑張ります、なんて言えるような年齢(当時4歳)でもないし、大人でも憂鬱になります。それは仕方がないこと。
その後、次男は先生や看護師さんを信頼して処置に協力的になりました。髄注時に麻酔を使わなくてもよい方法があったのです。(マルクは全身麻酔をしました)
〈論文より〉腰椎穿刺・骨髄穿刺などの検査時の疼痛緩和ケア
同じようなアンケート集計結果が掲載された論文を見つけましたのでご紹介します。
2004年のデータ(回答数:22施設)
腰椎穿刺や骨髄穿刺などの検査時の疼痛緩和ケアや麻酔管理、病児への説明について、小児癌白血病研究グループ所属の22施設の小児血液担当医にアンケート調査を行った結果。
引用:岡敏明,岡敏明:日本小児血液学会雑誌,19(4):214-219,2005
1993年のデータ(回答数:669名)
1993年に金子らが小児がん治療を行っている小児科医669名に行ったアンケート調査。3歳~7歳児対象。
引用:金子安比呂,松下竹治:小児がん医療における病名告知.インフォームドコンセント.サポーティブ・ケアの現状;アンケートの集計結果と考察.日児誌,99:534-539,1995/油谷和子,大塚香:腰椎穿刺・骨髄穿刺.小児看護,29(11):1532-1536,2006.
- 腰椎穿刺
- 全身麻酔科下で実施・・・9.9%
- 無麻酔・・・・・・・・・61.8%
- 骨髄穿刺
- 全身麻酔科下で実施・・・14.1%
- 無麻酔・・・・・・・・・12.3%
子どもと麻酔について
日本小児麻酔学会のホームページ「お子様と麻酔について」に掲載されている麻酔についての説明がわかりやすいのでご紹介します。
お母さま方へお願い
家庭でお母様方と入院や麻酔、手術などについての会話を持ったお子様は、抵抗なく麻酔を受け入れ手術を終えることが出来、時には兄弟にうらやましがられたりする場合もある位です。しかし、「デパートへ行こう」とか、「病院へお友達のお見舞いに行こう」などの偽りの説明により入院させられ手術を受けた場合には、お子様は非常な不安と恐怖心を示すことがわかりました。正しい意思疎通が入院前よりなされていることが大切なのです。病院では何が行なわれるかを、わかりやすい言葉で話ていただきたいのです。
引用元: 日本小児麻酔学会のホームページ「お子様と麻酔について」