小児白血病の初期症状(発病と経過)

たった15日で、次男の状態は急速に悪化していきました。原因不明の発熱、結膜炎、出血斑、肝臓と脾臓の腫れ、顔面蒼白、貧血などの症状が、白血病という重い病気のサインだったと判ったのは夏休み明けの夕方。瞬時にすべてが崩れ落ちていった2004年の秋は、恐怖と絶望から始まりました。

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騒ぎ出す病魔と不穏な15日間

2004年8月17日(火) 結膜炎・発熱

38.1℃
朝、「目が痛い」と言って起きてきた。目が真っ赤だったが、他に変わったところは見られなかった。
夜には熱が出て38.1℃まで上がったが、よく熱を出す子だったのでそのまま様子を見ることに。5日前に家族で市民プールへと出かけたから、そこで何かに感染したのだろうと思った。

2004年8月18日(水) 発熱

37.6℃ → 39.3℃
夜には39.3℃になったので解熱剤(座薬)を入れる。

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2004年8月19日(木)

朝には熱は下がって元気になった。

2004年8月20日(金)

普段と変わらず元気。

2004年8月21日(土) 結膜炎

目が赤かったが、元気だったので児童館へ遊びに連れて行く。元気に遊ぶ。

2004年8月22日(日) 発熱

38.0℃
昼間は普段と変わらず。
夜に熱を出し38℃まで上がった。

2004年8月23日(月) 発熱

39.7℃ → 39.9℃
熱が下がらず、ぐったりした状態が続く。

2004年8月24日(火) 結膜炎・発熱 ⇒ 眼科・小児科

39℃以上 → 37.1℃
朝になり、両目が痛くて開けられないと言うので、かかりつけの眼科と小児科を受診。「プール熱だったら喉が赤いはずだけど、この子は赤くないんだよね」どちらの先生にも同じことを言われた。
病名、原因ともに不明。なぜ熱が続くのかもわからない。風邪をこじらせた程度にしか考えていなかったため、病名を特定する必要性を感じなかった。このまま目が見えなくなるのではないかと心配したが、目薬が効いたようでしばらくすると目を開けた。
夜になると再び熱を出す。

2004年8月25日(水)

朝、熱は下がって元気になったので、昆虫博物館へ出かけた。
公園に連れて行くと、いつものように走り回って遊んでいる。
すっかり良くなったとしか考えられなかった。

2004年8月26日(木)

普段と変わらず元気。夜、銭湯に連れて行く。

2004年8月27日(金) 発熱

夜に発熱
高熱が出るのはこれで3度目になる。何かがおかしい。

2004年8月28日(土) 発熱 ⇒ 救急外来

40.1℃ → 39.3℃
翌朝には40.1℃まで上がった。さすがにこう何度も発熱を繰り返すのはおかしいと思い、県病院の救急外来を受診
熱以外の症状は何もなかったため、原因も病名もわからないまま帰宅することに。
抗生剤をもらい、熱が下がらなければ月曜日に小児科を受診するように言われた。

2004年8月29日(日) 顔色不良・倦怠感

抗生剤が効いたのか熱は下がったので病院へ行かなかった。
しかし、異常なほど黄色い顔色と、食欲はあってたくさん食べているのに一日中ゴロゴロと寝転がってばかりいる姿が気になる。

小児白血病の初期症状 顔面蒼白・出血斑・発熱
2004年8月29日 18時45分撮影。プラレールで少し遊んでは横になっていつもの元気がない。

2004年8月30日(月) 顔色不良・倦怠感

相変わらず顔色は悪く寝転がってばかりでだるそうにしているが、食欲はある。

2004年8月31日(火) 顔色不良・倦怠感・出血斑・肝臓と脾臓の腫れ ⇒ 小児科

顔色が悪く、だるそうにしていて起きていられない。
コツンと打ったところがすぐに出血斑となる。
夕方、かかりつけの小児科で診てもらうと、肝臓と脾臓が腫れていることが判明。
翌朝一番に県病院で血液検査をするため紹介状を持って帰宅した。

小児白血病の初期症状 顔面蒼白・出血斑・発熱
2004年8月31日 20時40分撮影。熱は下がったが顔色が悪く出血斑が増えていく。

何度検索しても「白血病」がヒットする

インターネットで拾い集める不安の種

8月29日、異常なほど黄色い顔色と、食欲はあるのに一日中寝転がっている様子が気になり、インターネットネットで検索してみると白血病で亡くなったお子さんのホームページにたどり着きました。思いあたる症状はあるものの、「うちの子に限ってそんな病気になることはない。抗生剤の副作用で顔色が悪くなることがあると別のホームページに書いてあったし、きっと次男もそうに違いない。発熱を繰り返して体が疲れているだけだ。熱は下がったことだし、きっと回復に向かっている」自分に言い聞かせて、胸騒ぎを鎮めるのに必死。

8月31日、かかりつけ医から受け取った紹介状の中身が気になり、封筒を透かしてみるが文字を読み取ることはできず、うまく封を開けようと試みましたが無理でした。息子たちが寝静まってから再びネットで検索すると、やはり白血病で亡くなったお子さんのホームページにたどり着き、肝臓と脾臓の腫れをキーワードに加え検索すると白血病の疑いがさらに強まる結果が出てきます。何度検索しても「白血病」がヒットするのです。「絶対に違う」と自分に言い聞かせ、泣きながらパソコンの電源を切りました。

検査前に白血病だとわかった医師

「大きい病院へ行けばすぐに結果が出る。明日の朝一で行っておいで。ただ、体をどこかにぶつけないように気をつけるんだよ」
心配する私に向かって先生はいつもの笑顔でやさしく話してくれましたが、それとは反対に看護師さんたちは複雑そうな表情でした。

後日、次男が白血病と診断されたと報告するためかかりつけ医電話をすると、先生は診察した時点でわかっていたけれど重い病気だと告げられるような確かなデータがなかったため病名は伏せていたと話されました。先生はずいぶん昔に小児がんの治療に携わった経験がある方で、「今は治るようになってきた病気だから大丈夫」と。暗闇に差し込んだ光のようで、その言葉を聴いて涙が止まりませんでした。

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