「ぼくの病気が早く治りますように、ってお願いしとった!」

「ぼくの病気が早く治りますように」

外出許可が出て祖母の家に行くと、次男は必ず仏壇に向かい手を合わせていました。
何をしているのか聴いてみると、
「ぼくの病気が早く治りますように、ってお願いしとった!」
その言葉に泣きそう・・・。

祖父に次男を抱っこさせてあげたかった。せめて妊娠したことだけでも、生きているうちに知らせたかった・・・。妊娠検査薬を使って調べたら陽性反応を示したのが、お葬式の朝。前日に検査したときは陰性だったのに。そして、次男の誕生日は祖父と同じ。これはもう、祖父の生まれ変わりなんじゃないかと思いました。ただ、がん細胞だけは消滅させてからにしてほしかったわ(祖父は肺がん)。

「おじいちゃん、まだ子の子を連れて行かないでね」
私も次男の小さな後ろ姿を見つめながら、心の中で祖父にお願いしました。

「ぼくの病気が早く治りますように」

祖母の家に行くと必ず仏壇へ(2004-11-27)

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