小児白血病は、10万人に3~5人ほどの発症率。どうして息子が難病のはずれクジを引いてしまったのか考えていたら、母は白血病を患った次男を「神様に選ばれた特別な子ども」だと言いました。
「長男ではなく次男が白血病になったのは、きっと何か深い意味があるのよ。神様は、重い病気の子どもを育てていく力のある人をお選びになって、次男をあなたたち夫婦に授けられたのよ」
白血病と告げられてから、私が悪いことをしたから罰が当たったのかもしれないと心の片隅で自分を責め続けていました。母のこの言葉は私のすべてを許し、自責の念と社会から隔離されているような孤独感から解放してくれたのです。
ある日、この病棟には「特別な子どもたち」が他にもいることを知りました。そして、退院して元気そうな子どもたちとお母さんの姿を見かけ、私の心に希望の光が射しこみました。数字だけの「5年生存率」・・・例えその中のたった1人であっても、まだ外来治療中であったとしても、生きている子がいるということは心の支えになり、生きる勇気を与えてくれました。
私の好きな詩のひとつ「天国の特別な子ども」には、重い病気や障がいなどのある子どもたちのご両親が、心の緊張をほぐして現実を受け入れる助けになる言葉が詰まっています。日本ダウン症協会から2009年1月19日に、当サイトに全文掲載の許可を得ていますので皆さんにご紹介します。
エドナ・マシミラ「天国の特別な子ども」
会議が開かれました 地球からはるか遠くで。
“また次の赤ちゃん誕生の時間ですよ”
天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。“この子は特別の赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。
この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。
もしかして 一人前になれないかもしれません。
だから この子は下界で会う人々に
とくに気をつけてもらわなければならないのです。もしかして この子の思うことは
なかなか分かってもらえないかもしれません。
何をやっても うまくいかないかもしれません。
ですから私たちは この子がどこに生まれるか
注意深く選ばなければならないのです。
この子の生涯が しあわせなものとなるように
どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。
神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。その二人は すぐには気がつかないかもしれません。
彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
けれども 天から授けられたこの子によって
ますます強い信仰と豊かな愛をいだくようになることでしょう。やがて二人は 自分たちに与えられた特別の
神の思召しをさとるようになるでしょう。
神からおくられたこの子を育てることによって。
柔和でおだやかなこの尊い授かりものこそ
天から授かった特別な子どもなのです”引用元: Edna Massimilla/大江祐子・訳 親から子へ伝えたい17の詩
愛と祈りを込めて Edna Massimilla <大江祐子訳>
(この詩は、アメリカ・ペンシルベニア州 ハートボロ 私書箱21号
This Is Our Life Publications より掲載許可を得ております)