次男が白血病と告げられた後、私は周囲の方へ病名も知らせました。病名を知られることに、抵抗がなかったからです。

それにより、PTA役員の仕事を助けてくれる方や長男の幼稚園での様子を教えてくれる方、回復を祈ってくださる方、たくさんの優しさに触れることができました。

今回は、次男の回復を願って千羽鶴を届けてくれた親友たちとの思い出話です。

笑顔と共に届いた千羽鶴

「俺たちにはこんなことぐらいしかできないけど・・・」

大きな千羽鶴を持って、バイク仲間がお見舞いに来てくれました。男性5人と彼らの奥さんで、病気の知らせを聞いてすぐに完成させたというのです。

「おりがみなんて何年ぶりかな」

「ツルの折り方がわからん、ってアイツからメールあってさぁ・・・」 

よく見ると、へんな形をした鶴が混じっています。

「オレなんか、おりがみで徹夜したよ~。一夜漬けタイプだからさ」

「アイツ、オークションで千羽鶴が出品されてないか調べてたらしいぞ」

みんなの思いがたくさん集まった千羽鶴がとても嬉しかった。一枚のただの紙が鶴になり、それが千羽も集まると膨大なパワーを感じるのです。抱きしめると、みんなに守られているような、そして元気をもらっているような気分になるから不思議。

千羽鶴をお守りに、小児がん治療

他にも、彼らは病院での体験談をおもしろおかしく話してくれました。彼らと一緒にいると思い切り笑うことができます。この日も、息子が病気になって初めて、心の底から笑うことができました。そういえば12年前も、彼らは私を支えてくれたな・・・。

仲間を2人をたて続けにバイク事故で亡くし、泣いてばかりいた私を笑わせようとしてくれた彼ら。悲しみも苦しみも喜びも幸せも、共に分かち合ってきた彼らは、私の親友です。

「元気になったら、また寒中バーベキューするぞ」

そう言い残して、彼らは笑顔で帰っていきました。

他にも、長男の幼稚園のお友達とお母さん、お世話になっている美容室のみなさん、入院中にお友達になったお母さん、たくさんのお友達が千羽鶴を折って病棟に届けてくれました。

次男の回復を願い、折ってくださったたくさんの鶴を久々に抱きしめたら、涙がこぼれました。皆さんの想いが届き、次男は無事に治療を終えることができました。ありがとうございました。

人生というのは、喜びよりも悲しみの方が多いね。ただ、悲しみというのは時間というものが助け舟になっている。時間は癒しになるんです。それでね、悲しみをともにしてくれる友だちがいれば、その悲嘆はより早く解決できると思う。一緒に悲しむということ、一緒に喜ぶというのは、それはやっぱり親しい友人とだからできることですね。友との関係というのはほんとうに素晴らしい。辛いことや苦しみ、老いの辛さをともに分かち合う。そういう友人がいることは非常に救いになると思います。

引用元: 65 27歳の決意・92歳の情熱 対談・日野原重明×乙武洋匡