【カルテ開示4】費用はいくらかかる?~診療情報開示の料金内訳~

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カルテ開示の費用はいくらかかる?~診療情報開示の内訳~

カルテ開示したお友だちからの情報

過去にカルテ開示をしたお友だちにかかった費用を聞いたことがあります。フォーラム「カルテ開示請求をした方、かかった費用を教えてください」を以下にまとめました。

管理人 はな

合計 5,923円(2年1ヶ月分)

■ カルテコピー代
3,340円(A3サイズで334枚×@10円)
■ MRI画像コピー代
2,583円(最初の1枚1,575円、2枚目から1枚につき334円×3枚)


カルテ開示をされた方がいらっしゃいましたら、費用等教えてください。お子さんのカルテ開示に限らず、ご家族やご自分のカルテ開示のときの費用でも結構です。(はな)

母親

合計 137,070円

■ 診療録等文書コピー料
@10円×1,359枚=13,590円
■ レントゲンフィルム
半切 (@1,575円)×55枚=86,625円
大4切(@1,365円)×27枚=36,855円


ウチはMRIやCTの画像が多く、このような金額でした。(smileさん)

母親

合計 45,346円(11ヶ月分)

■ カルテコピー
(A4サイズ)2,340枚・コピー代@10円
■ X線・CTフィルム
(半切り)47枚・コピー代@421円
■ 控除額
-600円
■ 消費税
2,159円


神経芽細胞腫・入院期間11ヶ月分。この他に本人との関係を示す為の戸籍謄本代など。全て郵送で行いましたが、送料やコピーのファイル代・手数料などは請求されませんでした。(あいゆうママさん)

母親

合計 57,420円(約9ヶ月分)

■ カルテコピー
A4サイズ2,871枚×@20円


入院していた期間分のカルテのコピーをいただきました。医事課の方の覚え違いで画像は後日枚数を確認後連絡くださるとの事でしたので、今回はカルテコピー代のみ。(空豆ママさん)

smileさんの場合コピー代が高いMRIやCTの画像が多かったこともありますが、カルテ開示にかかった費用が約14万円。画像がなければ14,000円ほどで済んだようですが、他には1年分の診療記録のみのコピー代だけで15万円かかった事例もありました。

1年分の診療記録のみのコピー代だけで15万円

ご用意させていただきました診療記録の複写等は全てお引き取りいただきます。過去に入院期間1年間の診療記録のみの複写で約2,800枚(151,200円)となった事例があります。複写枚数につきましては、予め把握できませんのでご了承ください。
引用元: 聖マリアンナ医科大学病院「大学病院 診療記録等の開示を申請される方へ(お知らせ)

私がカルテ開示をしたという記事を投稿したところ、興味を持たれた方がたくさんいらっしゃいました。6千円程度でカルテのコピーがもらえるのなら・・・と手続きを検討された方もいらっしゃるのではないでしょうか。うちの場合は用紙が「A3」だったので、A4で換算すると合計9,263円になります。画像も少なかったこと、数日分の血液検査結果が1枚にまとめられていたこともあり安く済んだのだと思います。

小児白血病治療中のカルテ開示
血液検査結果用紙は重ねた状態でカルテに貼ってあったため、16日分をまとめてA3サイズ1枚で印刷してもらえたことも費用を抑えられた要因だと思います。

あれからいろいろと調べていくうちにわかったことですが、コピー代とは別に事務手数料を5,000円ほど徴収されたり、コピー代がA4サイズ1枚50円に設定されていたり、病院によって金額設定に違いがありました。

コピー代@50円は高くない?上質紙なの?ここにも手数料が含まれているの?

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個人情報開示手数料に関する法律

 「医療情報の公開・開示を求める市民の会」(大阪市)によると、私立病院ではカルテのコピー代とは別に、手数料を徴収している所が多く、5000円以上のケースも少なくない。一方、国立大学病院では手数料は無料という。
個人情報保護法は手数料について「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内」と規定。明確な金額の線引きをしていないが、同会は特に5000円以上の金額は、合理的な範囲を超えていることは明らかとして、引き下げを病院に指導するよう厚労省に求めていた。厚労省医事課は「手数料の金額に大きな差があるとの指摘を受け現在、実態を調査している」としている。
引用元: 毎日新聞:2017-10-22「カルテ手数料 厚労省が調査 高額徴収に批判」より一部抜粋

実態調査の結果は見つけられず・・・。

さて、個人情報の保護に関する法律には次の通り、個人情報開示手数料について記載があります。

(手数料)
第三十三条 個人情報取扱事業者は、第二十七条第二項の規定による利用目的の通知を求められたとき又は第二十八条第一項の規定による開示の請求を受けたときは、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる。
2 個人情報取扱事業者は、前項の規定により手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならない。
引用元: 個人情報の保護に関する法律:電子政府の総合窓口「e-Gov」

事務手数料5,000円やコピー代@50円が「合理的であると認められる範囲内」であるかどうかの判断は、病院次第といったところでしょうか。

カルテ開示に関する料金の平均金額

産労総合研究所が実施した自費料金に関する実態調査では、カルテのコピー代は平均@59円。最高額は@5,000円!明らかにぼったくりだわ。この計算だと、息子のカルテ開示(A3サイズ334枚⇒A4サイズ668枚に換算)コピー代だけで334万円かかるやん…入院費用より高額になるなんてあり得ない。

 カルテの開示基本手数料は、全国平均で2,732.7円、最高15,000円、最低300円である。同様に、カルテに関する医師の説明(30分)は平均5,450.2円、最高22,000円、最低2,000円であった。
医療機関によってはカルテの開示基本手数料のほかに「閲覧料」を設けているところもあり、また、医師説明の料金を開示基本手数料に含めるケースもあるようで、一概にはいえない。自費料金は個々の医療機関が独自に決めるため、必ずしも料金の設定範囲が統一的でないのが実態だ。なお、カルテの複写は平均59.2円、最高5,000円、最低5円であった。
引用元: 産労総合研究所「2013年 医療機関が設定する自費料金に関する実態調査」(3)自費料金の平均額と金額分布―[3]診療録(カルテ)関連より一部抜粋

患者の権利オンブズマン東京もカルテ開示料金について調査されたようで、「『カルテ開示等診療情報提供システム』に関する実態調査報告」にもコピー代5,000円の報告がありましたが、1枚5,000円ではなく定額5,000円でした。

 患者が病院に診療録(カルテ)の開示を求めた際のコピー代や閲覧料、医師の説明料などの費用に格差があることが27日までの「患者の権利オンブズマン東京」の調査で分かった。
カルテのコピー代は白黒で1枚10~50円、中には5000円と定額にしている病院もあり、カラーでは1枚40~200円の開きがあった。閲覧だけでは「無料」が62病院で3分の2を占めたが、有料とする病院では300~1万2600円と差があった。医師などの説明料は1時間3000~1万5000円と5倍の差があった。
引用元: 日本経済新聞:2010-05-27「カルテ開示、料金に格差 閲覧は無料から1万円超まで」より一部抜粋

カルテ開示をご検討中の方へ

病院のホームページに「診療情報開示」「カルテ開示」など手続きの流れや費用について掲載されている場合がありますので、いきなり窓口へ行って申請手続きをするのではなく、開示できる内容や費用などをご確認の上、何のために開示するのかを明確にしてから手続きすることをお勧めします。裁判をしないのならば、全開示は必要ないと思います。

カルテに関する注意点もありますので参考までに。

  • カルテには専門用語が並んでいるので、簡単に理解できるような内容ではありません。
  • 電子カルテになる前は手書きなので、字が汚いと読み取り不可能
  • 日本語以外に英語やドイツ語で記載されていることもあります。
  • カルテには患者さんの診療記録が細かく記載されています。知ることができた喜び以上に辛かった頃の記憶が蘇って、さらに辛くなることがあるかもしれません。
  • 医療従事者が記載した言葉を誤解して解釈する恐れがあり、医療従事者との関係に影響が出るかもしれません。

カルテでなくても「治療サマリー」を手元に残しておくだけでも全然違うと思います。それについてはまた調べてから投稿します。

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