骨髄移植や臍帯血移植などの造血幹細胞移植やその他の治療により、予防接種の抗体が消失した場合のワクチン再接種費用を自治体で補助してもらいたいという声が全国に拡がっています。


私は、友だちの江田さんから相談を受けたことがきっかけで、上記の一覧表を作成しました。そして、江田さんを通じて梅田さんと出会い、おふたりの優しさに触れ、私は彼女たちの力になりたいと思いました。

今回は彼女たちとの活動、患者団体の動き、ワクチン再接種費用の公費助成を求める陳情が拡がるきっかけを作ったかなママさんをご紹介します。

新たな仲間との出会い

小児がん患児の母&10人の子をもつ母、江田さんの原動力

江田さんのお子さんは神経芽腫の治療中。そして、他にも9人のお子さんがいるお母さんです。末っ子は双子ちゃんなので、それだけでも多忙な毎日を送る中で個人で活動していらっしゃいました。

江田さんは2018年12月に、オンライン署名収集を行うサイト「Change.org」にて「東京都北区小児がん等特別な理由で免疫を失った子へ予防接種の再接種助成を求める!」を立ち上げました。10,242人の署名が集まり、2019年2月にその署名と陳情書を東京都北区に提出し、同年3月に採択されました。

江田さんは居住地以外の自治体でもこの助成制度の創設を願い、同じ目的を持つ梅田さんと一緒に活動を始められ、現在は東京都内で陳情を行っているので力を貸してほしいということでした。

梅田さんは、今年9月から「Change.org」で「地域関わらず特別な理由による予防接種再接種の助成を!!」を始め、2019年12月19日現在25,016人の署名が集まっています。

小児がん治療後の予防接種ワクチン再接種費用の公費助成を求める陳情拡がる

私は以前、江田さんに助けてもらいました。ある方からの相談で情報を探していた時に、江田さんは親身になって短期間で情報を探して教えてくれたのです。江田さんは見返りを求めることなく、相談者の力になれれば・・・という想い、ただそれだけで力を貸してくれました。

江田さんの原動力は何なのか、本人に直接聴いてみました。

母親

 この先、娘に万が一のことがあったとき、娘がこの制度の中に生き続けると思って始めた活動でした。
 なぜ他の自治体へ関わろうとするのか・・・一度はやると決めた事だからやる、という性格なのもありますが、居住地によって受けられる支援が違うのは納得できず、他の自治体からももっと陳情が出てほしいと思って。
 私は学もないし、ただのお母さんだけど、子ども達を守りたい。

今度は私が江田さんの力になりたいと思い、まずは個人的に彼女たちの活動に参加することにしました。

孤独の中で始めた署名活動、梅田さんの想い

江田さんを通じて知り合った梅田さんのお子さんはミトコンドリア病 ピアソン症候群で、骨髄異形成症候群を併発して骨髄移植を受けられました。小児がん以外の病気でも、造血幹細胞移植を受ける子どもたちがいます。

ピアソン症候群は国内に患者が数名なので国内に患者会はなく、海外の方と情報共有しているだけなので、病気に関わる団体には知り合いが全くいらっしゃらないそうです。

実名で一人で声を上げるには、相当な勇気と覚悟が必要だったに違いありません。

小児がん治療後の予防接種ワクチン再接種費用の公費助成を求める陳情拡がる

梅田さんのお子さんは、人生の半分が入院生活でした。医療物品の購入や現在も通院していらっしゃるため間接的な費用が発生し、大きな負担となっています。

「居住地によって再接種の助成に差異があるのは不自然なのではないか・・・」梅田さんもまた、ご自身の居住地だけでなく全国でこの助成制度の創設を願って活動していらっしゃいます。

まずは3人で、何をどのように進めたらいいのか考えつつ、仲間を募っています。

仲間たちへ「声をあげよう!」~かなママさんの発信から~

「造血幹細胞移植などの治療によって免疫が消失した場合のワクチン再接種費用の公費助成を求める声をあげよう」と仲間に働きかけたのは、小児がん経験者の母親「かなママ」さんです。

かなママさんがブログで取り上げる以前に、この件で自治体へ声を届けられた方がいらっしゃいましたし、ワクチン再接種費用を助成している自治体がどこかにあったかもしれませんが、大きな動きがみられるようになったのはかなママさんの発信があったからだと思います。

小児がん治療後の予防接種ワクチン再接種費用の公費助成を求める陳情拡がる

2017年6月に、かなママさんはブログで仲間たちに呼びかけました。そして、かなママさんの呼びかけに、たくさんの仲間が賛同し動き始め、全国に拡がっていったのです。

かなママさんのお子さんは1歳5ヶ月の時に神経芽腫を発症し、その治療を終えた後に白血病を発症してしまいます。臍帯血移植を受けられ、現在は元気に過ごしていらっしゃるようです。

かなママさんたちの想いが市長に届き、助成制度は2017年8月から開始、2017年4月1日以降に接種した予防接種も対象になりました。かなママさんのお子さんは一昨年からワクチン再接種が始まり、この制度を利用できるとのことです。

かなままさんのブログ、2017年6月28日の「声をあげる。」をご覧ください。


接種済みワクチン再接種費用助成の要望書提出から現在まで

厚生労働大臣及び全国の都道府県知事宛に要望書を提出

2018年9月には、治療後に抗体がなくなった予防接種の再接種を自治体で負担してもらえるように、がんの子どもを守る会と全国の小児がん患者家族会(23団体)が連名で、「接種済みワクチン再接種費用助成の要望書」を厚生労働大臣及び全国の都道府県知事宛に提出しました。


これを受け、2018年10月31日に開催された第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で、骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施に関する調査結果が報告されました。

【資料5】骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況及び居住地以外で定期接種を実施した場合の取扱いについての調査結果について

骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況

厚生労働省は全国1,741の市区町村を対象に、骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況及び他の市町村等での定期接種の実施状況について、2018年7月1日時点での状況を調査し、全1,741自治体から回答を得ました。

その結果は、骨髄移植等の医療行為により免疫を消失した方に対する再接種に対する何らかの助成事業を行っている自治体は90、今後何らかの助成事業を実施予定83、実施を検討している自治体は238でした。

その後も自治体への陳情は全国各地で行われ、制度化する自治体が増えてきました。私が主にぽこちゃんさんの協力を得て調査した結果、2019年12月16日現在で249の自治体がワクチン再接種の助成制度を実施していることがわかりました。


署名活動でみんなの声を届けよう

声をあげる、陳情する・・・かなりの時間とパワーが必要となります。その方法もわかりません。今後は、声を上げたいと思っている方の参考になる情報をまとめていきたいと思います。

まずは、あなたの想いを江田さんと梅田さんに託してみませんか。

ワクチン再接種助成の制度化を求める署名活動も始まっています。署名したことをインターネット上で非公開とすることも可能ですので、ご協力をお願いします。