前回「PTA役員選出方法の見直し(1)新6年生だけ学年選出」の続きです。
まずは、広報委員会で役員選出についてのアンケートを実施し、保護者の意識調査をしました。
「役員選出に関する会員の意識調査報告書」より一部抜粋
調査目的
学級役員選出規定がないため年度ごとに選出対象者が変わり、保護者の混乱を招いていた。また、役員選出の際に引き受けてもらえなかったり苦情が出たりして、学年学級委員会がたいへん苦労をしている。学年学級委員会の負担を軽減するためにも必要ではないかと考え、参考資料として会員への意識調査を行った。
補足
学級役員とは各クラス2名選出する委員(学年学級委員会・広報委員会・子育て委員会)を指す。校外生活委員会と研修委員会は地区役員になり、各地区から2名(または1名)を選出する。地区役員選出規定は各地区で定められているため、学級委員選出規定には含まない。
役員選出規定作りの流れ(案)
- (済)本年度実行委員会で規定づくりについて承認を得た後、広報委員会で会員の意識調査を行う。
- (済)アンケートを集計し、9/4 実行委員会・専門委員会で報告する。
- 調査報告を参考に、実行委員会と学年学級委員会が中心になって規定作りをすすめる。
- 規定を文書にして配布する。
- 平成23年2月に行われる学級役員選出において試行する。
- PTA規約に含まれる形で「PTA学級役員選考細則」を設ける場合は、PTA総会での承認が必要となる。規定をどのように扱うか、役員会で話し合ったほうがよいのではないか。
アンケート集計結果
【質問1】すべての学年において学年選出をしたほうがよいですか。
会員の意見
今回の調査では、学年選出にやや抵抗をもつ保護者が多いことがわかった。クラスによって免除事項が違うよりも、学年選出にして統一したほうが公平であるという意見に対し、学級選出のほうが本音で話せる、学級委員というのだから学級から選出するのが当然という意見が出た。
あるクラスでは定員オーバーで立候補者が辞退し、別のクラスではくじ引きで選出した。このような場合、学年で選出するのは有効な手段といえる。
しかし、学年が低くなるにつれ役員未経験者が多くなり、収拾がつかなくなる恐れがある。学級・学年ともに、スムーズな役員選出をするためには、役員経歴調査や立候補者を事前に確認しておくことが重要になる。
昨年度の様子
昨年度は、新6年生各クラスの学級役員未経験者にばらつきがあったため、学年選出にて決定した。保護者の反応はとても良く、他の学年の保護者からも、全学年そうしたら不公平感がなくなるという意見もあった。
昨年度新6年生の役員選出方法
- 各クラスで学年選出の意味とひとつのクラスから複数役員が選出されることもある等のデメリットを説明し、学年選出に移行するために保護者の了承を得る。
- 免除希望の方がいれば、クラスごとに承認するかどうか話し合い候補者を決定する。
- ひとつのクラスに役員候補者が集まり、くじ引きなどで規定人数を選出。
【質問2】兄弟姉妹を含めて1度も役員をやったことがない方を優先に、学級役員を選出したほうがよいですか
会員の意見
「1世帯1回」と答えた方が圧倒的に多く、1年生の回答者全員が「1人の親が何度も役員をしなくてもよい」と考えていることがわかった。その理由として多かったのが、「子どもが多い世帯には負担が大きくなる」「平等である」であった。
役員経験者からは、「学校のことがよくわかるので1回は経験してほしい」「最初は大変でいやだと思いながら引き受けたが、友達が増え学校の様子もわかり、いろいろなことを勉強できてよい経験になった」という意見が多かった。このような経験者の声を広め、役員の仕事内容を具体的に伝えることが必要であると感じた。
「役員をやらなければいけない」という決め方よりも、「やってもよい」と考える方を拾い出したり、経験者でも立候補したりできる環境づくりをすすめたらどうかという、新しい選出方法の提案もあった。
これまでの流れ
平成19年度に行われた新学級役員選出で、「1子1回役員を経験する」に変更になった。しかし、保護者から反論があり、翌年は「未経験者優先」として学年学級委員が電話による役員経歴調査を実施。比較的スムーズに役員選出ができたが、保護者からは「1世帯1回にしてほしい」という意見が多数寄せられた。
【質問3】新6年生の役員未経験者で、ひとりっ子や下に子どもがいない人がいる場合は、その方を優先にして学級役員を選出したほうがよいですか
会員の意見
全体では、回答に大きな差が出なかった。しかし、現在の5 年生保護者の7 割が「ひとりっ子や下に子どもがいない人に学級委員をやってもらいたい」と答えた。その理由として多かったのが、「下に兄弟がいる場合は、来年度以降も役員選出対象者になるため」「未就学児がいると、委員会の仕事に集中できないため」。
反対の意見は、「障がい者や介護が必要な方がみえる家庭などいろいろな場合があるので、小さい子どもがいるかいないかだけ取り上げるのはおかしい」「好きでひとりしか産めなかったわけではない。差別されている気がする」など。
昨年度の様子
新6年生役員決めの際、ひとりっ子や末っ子を持つ未経験者の保護者を優先して学級役員を選出してほしいという意見が出たため、今回のアンケートに加えた。
その他の意見
免除項目について
- どんな子ども会役員でも重ならないようにしてほしい。
- 各クラスでバラつきがあるので、統一してほしい。
- 委員長や子ども会長など大きな役を経験した方は、特に対象外にしたほうが良い。
- 母子家庭などでは、祖父母が同居している場合は、免除する必要はない。
- 家庭の事情を把握した上で選出してほしい。
- 転勤を理由とした役員辞退はなし。
- 乳児や入園前の幼児(1~2才)がいる方、妊娠中の方、介護をしている方、 母子または父子家庭の方は免除が望ましい。
- 学校役員・地域の役員・子ども会役員はその年は免除で、学級委員が未経験であれば、その次の年から対象者として扱ってほしい。
- 役員経験アンケートにウソの申告をする人がいると聞いたことがある。
- アンケート以外に役員経験者がわかる方法があると良い。
学級役員の免除対象者(昨年度の場合)
- 前年度と今年度、PTA 本部役員(会長・副会長)の方。
- 今年度、学級委員(子育て・広報・学年学級委員)の方。
- 今年度、地区役員(研修・校外生活委員)の方。
- 今年度、育成会本部役員の方。
- 今年度、子ども会会長の方。
- 新年度、PTA 本部役員に決まっている方。
- 新年度、地区役員(研修・校外生活委員)に決まっている方。
- 新年度、育成会本部役員に決まっている方。
- 新年度、子ども会会長に決まっている方。
- 学級役員の免除項目(昨年度の場合)
- 妊娠中の方。
- 0~1 歳の乳幼児がいる方。
- 日本語が話せない方。
免除できない場合(昨年度の場合)
- 母子家庭・父子家庭である。
- 夫婦共働きである。または仕事が忙しい。
- 以前在籍していた小学校で役員の経験がある。(来年度はこの項目を追加する)
立候補について
役員経歴調査の段階で、役員に立候補するかどうか、また委員長立候補者も募る。委員長の申し出があった場合は、役員決めの前に委員長だけでも決めてはどうか。出欠票(兼委任状)に委員長立候補者がいるが承認するかどうかという欄を加えれば、委員長が勝手に決まってしまったという意見は出ないと思う。委員長立候補者はそうそういるとは思えないが、昨年と今年はいたので、今後もあるかもしれない。やってもいいという人を前に出す方法を考えたい。そうすれば、学年学級委員の仕事量が少しは軽減されるのではないか。
役員経験済みであっても、希望の委員会に入れるのなら引き受けたいという人もいるかもしれない。事前に立候補者がわかっていれば、学年選出に切り替えることも可能になる。
どの委員会に入りたいか事前に希望をきいて、たくさん立候補がいる委員会はジャンケンで、不足している委員会は未経験者の中から選んでもらえるとやりやすい。免除項目を増やすよりも、立候補してくださる方が自分にあった委員会で積極的に活動できる選出方法を考えれば、PTA活動を活性化できると思う。