小児がん治療前に定期接種したワクチンが、治療後の抗体検査で消失していることがわかった場合は再接種する必要があります。再接種費用は「任意接種」となるため、全額自己負担になります(自治体によって、一部または全額を助成)。

「定期接種」と「任意接種」の違いは接種費用だけではありません。健康被害にあったときの救済制度も違います。

定期接種を受けて健康被害にあった場合は厚生労働省の「予防接種健康被害救済制度」、任意接種の場合は医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」が適用となり、後遺症が残ったり亡くなったりしたときの補償内容は、任意接種の「医薬品副作用被害救済制度」のほうが薄いのです。

さて、今回は「定期接種」と「任意接種」の違いについてまとめました。

定期接種と任意接種の違い

 定期接種任意接種
主な目的公衆衛生予防個人予防
実施主体市町村医療機関
費用負担
市町村
個人
接種費用
の自己負担
原則なし
あり
(自治体によって助成制度あり)
救済制度
厚生労働省
「予防接種健康被害救済制度」
医薬品医療機器総合機構
「医薬品副作用被害救済制度」
予防接種法
あり
なし
努力義務あり(A類)なし
接種推奨あり(A類)なし

予防接種の目的

定期接種」は、感染力が強い・致命率が高い・重篤になる可能性が高い疾病にかかることを防いだり、他の人に感染させて社会に病気がまん延するのを防いだりすることを目的としています。

任意接種」は、個人が感染症に罹患し重症化を防ぐために、個人の判断で受ける予防接種です。

予防接種のワクチン名・予防できる病気

定期接種(A類疾病)

※水痘ワクチンは2014年10月に定期接種となりました。

ワクチン名予防できる病気
四種混合ワクチン
(DPT-IPV)
ジフテリア・百日せき・
急性灰白髄炎(ポリオ)・破傷風
麻しん風しん混合ワクチン
(MR)
麻しん(はしか)・風しん
日本脳炎ワクチン日本脳炎
BCGワクチン結核
ヒブワクチン
(Hib)
Hib感染症
(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)
小児肺炎球菌ワクチン小児の肺炎球菌感染症
HPVワクチンヒトパピローマウイルス感染症
(子宮頸がん)
水痘ワクチン水ぼうそう
B型肝炎ワクチンB型肝炎

定期接種(B類疾病)

高齢者の予防接種(インフルエンザ/肺炎球菌感染症)

任意接種

ワクチン名予防できる病気
インフルエンザワクチンインフルエンザ
おたふくかぜワクチンおたふくかぜ
(流行性耳下腺炎)
ロタウイルスワクチン感染性胃腸炎
(ロタウイルス)

接種費用の負担

定期接種は、予防接種法によってワクチンの種類や対象年齢などが定められている予防接種です。接種費用は市町村が負担しますので、原則無料で受けることができます。

任意接種は予防接種法に基づく定期接種以外のワクチンを個人の希望で受ける予防接種ですので、費用は全額自己負担になります。

接種する機会を逃した場合は?

定期接種であっても、予防接種の機会を逃して予防接種法で定められた対象年齢・期間を過ぎてしまった場合は「任意接種」になります。全額自己負担になりますのでご注意ください。

定期接種を受ける前に小児がんと診断された場合の手続き方法

定期予防接種をすべて終えていない時期に小児がんなどの長期療養を必要とする疾病にかかったことにより、定期予防接種の機会を逃してしまった方は、予防接種対象年齢を過ぎても「定期接種」として受けられるようになりました。

以前は入院中に市役所へ手続きに行かなければならなかったのですが、平成25年1月30日の予防接種法施行令改正により、定期接種の該当する年齢を過ぎても「定期接種」として接種できるようになりました。これは有り難いですね。

健康被害救済制度

定期接種の場合は厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」、任意接種の場合は独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」になります。

小児がん治療後の再接種を「定期接種」と同じ扱いにしてほしい

小児がん治療後の再接種を「定期接種」と同じ扱いにしてほしい

私が思うこと

「定期接種」のワクチンは、子どもたちが心も体もすこやかに成長し、社会の一員となって生活する上で必要な抗体をつくるためのもの。

小児がん経験者たちが、健康な子どもたちと同じ環境で健やかに成長できるように、地域や貧富の差によって受けられる医療に違いが出ることのない制度の創設を求めます。

自治体へ、そして国へ声を届けよう

経済的な理由で再接種できず、感染症にかかったり重篤な状態に陥ったりすることがないように、お友達に感染させて病気をまん延させることのないように、この先も健やかに成長できますように・・・そう思いながら、自治体へ、そして国へ声を届けようと動いている仲間がいます。

参考サイト

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