当サイトが実施した「小児病棟情報アンケート」に、看護体制についてたくさんのご意見が寄せられました。前回は「子どもの入院に付き添う親の生活」「小児病棟:完全看護と24時間付き添い経験談」についてまとめました。今回は、現在の看護体制で満足・不満に思うことなどをご紹介します。
目次
現在の看護体制で満足していること
医療スタッフ間の情報共有
- 小学生の子供が入院しています。看護師はだいたい誰でも子供の状況をわかっているので話が通りやすいです。医師と看護師の情報の共有が出来ていると思います。ただ養護学校には治療の情報は共有出来ないので親が間に入って説明しなくてはならず、外泊や一時退院の時などバタバタします。
- 看護師さんは基本二人組で来るのでどちらかに伝えれば主治医担当医に伝わり他の看護師さんもよくしてくれました。
付添人の精神面のケア
- 夜間に状態が不安定になると夜勤の看護師さんが最高で4人中3人も病室に来てくれて、親は心強かったですが、他の仕事に差し障りがないか、時間外労働の長さが気の毒になるくらいでした。長期入院する子供のためのレクリエーションに親も参加させてもらったり、その間は子供を見ていてくれて良い気分転換になりました。季節の行事も多く、看護師さんだけではフォローしきれない患児とその家族の精神面のフォローを保育士さんとCLSさんが担っている様子でした。我が子の闘病生活は辛く、出来れば経験したくないものでしたが、入院先の病院としてはよかったなと思っています。
- 今までお世話になっていた大学病院に比べ看護師さんが優しい、子供に寄り添った看護をしてくれる。親が付き添いで泊まっていても夜中のおむつ交換はやってくれます。
- 若い看護師さんが多く、子供たちは幼稚園の先生と話すような感じで関わりは深いです。完全看護で、親が休息を取ることを看護師さんから勧められたりします。
- 家庭や経済的な事情で24時間付き添えなかったが、子供は比較的待遇が良かったと思う。
現在の看護体制で不満に思っていること
医療スタッフ間の情報共有
- 酸素飽和度のアラームがなっていても(けいれんでICUから出てきたばかりの子なのに)放置過ぎてやきもきしていたら、案の定回診時にドクターがこんなに酸素落ちてるの?と看護師さんに聞いてましたが、はいと普通に答えていて、ドン引きでした。看護師の判断で、ドクターに報告してくれずに脱水になったこともありました。
- 看護師によって、言ってる事が違ったので、主治医に頼っていました。
- 日勤帯の看護師から夜勤帯の看護師へ、また逆の場合も、親がお願いしたことが情報共有されていないと感じる場面が多々ありました。人数としては適切だったと思いますが、朝病室に着き、お願いしたことがされていないというのはよくありました。
- お友達がたまたま看護師さんのパソコンを見てしまい、そこに家族の事(そのときは患児の母親の事)が記載されていて嫌な気持ちになった。
決まりがない
- はっきりとした決まりがないから、困ることはありました。
- 病棟ごとにカテーテル管理法やお風呂のシステムなどなどのローカルルールが異なり、説明についても誰がどのタイミングで行うか決まっておらず混乱があった。
- 主治医、看護師さんはみんな優しく、あまり看護師さんたちには不満はなかったのですが、優しすぎるせいなのか、ただ無頓着なだけなのか、大部屋でルールを守らない、例えばテレビなど音の出る機材にイヤホンをしないとか、消灯になっても電気を消さないとか色々、を見て見ぬふりをして、自分たちからは絶対に注意をしてくれなかったことに憤りを感じていました。
アラーム・泣き声
- 夜勤時、小さな赤ちゃんが泣いているのにほったらかしはやめて欲しいと思った。自分が夜付き添いが出来ないときに、同じようにほったらかしにされてると思うととても嫌な気持ちになる。特に赤ちゃんは、言葉を発っせないのでもっと気に掛けて欲しいと思った。後、看護師に細かく言う母親もいれば、気を使って何も言えずにいる母親も居ます。何も言えずにいる親をもっと気に掛けて欲しい。
- 完全看護と言っても、こどもや赤ちゃんが泣いていてもかなりの時間放置されていて、親としてはやはり24時間付き添いたいなと思いました。
- ナースステーションから遠い大部屋に入るとなかなか見てくれず、点滴のアラームがずっとなり続いて困る
人手不足
- 完全看護の病院ですが、24時間付き添いもしたことがあります。5歳の息子が産まれてから今まで、何度も入退院を繰り返してきました。その中で思うことは、看護師さん達が忙しすぎるということでしょうか。だから、アラームがなっても誰も来ない、頼んでおいたことを忘れられてしまう、忙しそうで声をかけづらいといつも思ってました。一度、私がいた時に息子が低ナトリウムで痙攣を起こしたのですが、もちろん自分でナースコールなどできない状況でしたから、これが私がいない時や夜間だったらどうなっていただろうと恐ろしくなってしまいました。
- 完全看護というわりに、特に夜は看護師さん少ないから個室にいる息子をあまりみてもらえない。完全看護というくらいなら、個室それぞれに保育士さんを雇うくらいしてほしい。ベッドの柵から出られないのだから、誰か個室にいてあげないと絶対だめ。医療ミスもあり、点滴が漏れたり、おむつももっとまめに変えないと濡れて風邪引くし、ナースコールしてすぐ来てくれないし、とてもでないが病院側に任せきりにはできない。点滴量、流量までこちらはメモし、夜中も確認していました。安心し任せられる環境ではなかった。
- 完全看護と歌っているが、人工呼吸器や気管内吸引、注入などの医ケアが必要なため、病棟が忙しいときは親行くまで子どもは待たされている
- 各病棟によって看護体制やルールが異なるため病棟を移動すると戸惑う。保育士さんが付き添いのない子を優先で相手をしているので、休憩に行くのにお願いをするのに気を遣った。
- 完全看護ですが、休日など保育士も休みで、看護師の出勤人数が少ないと、親が看病に来ていない子は、ベッドの上で一人で過ごすことが多い。
- 完全看護ではあるが、付き添いで泊まっていると、夜間の人手が少ない状況で付き添いのない赤ちゃんに手を取られ、ナースコールを押してもなかなか来れないことも。
- 完全看護のはずだけど、なかなか人が足りてないのか、朝行くとベッドがウンチで汚れてた時があった。
- 完全看護は名前だけで、実際はナースコールしても10分以上放置で、ガーゼ交換すらも家族がしなくてはならず、看護なんてしてもらえなかった。ガーゼやテープなども分けてもらえない為、実費。終末期ですらそれは変わらなかった。
- 患者に対して看護士の人数が少なすぎる。ワンフロアー40~45人に対して看護士6人。せめて8人は欲しい。親の意見をもっと聞いて欲しい。
- 看護師は人手不足で、ナースコール押してもすぐには来られません。親が付き添いしていないと子どもはトイレも我慢する事になります。(小学生なら自分で行って良いと思いますが)食事の介助もほとんど無理なのでうちの子のように食が細い子はどんどん痩せます。夜は患者30人近くに対し看護師3名、しかも交代で休憩してるので、夜に点滴のアラームが鳴りっぱなしはしょっちゅうです。子どもが手術後の痛みを訴えても親がいなければ放置されるだけです。
- 病床35に対し夜間は看護師3名の体制で、休憩交代をしながらなので実質2名でした。トイレや嘔吐でのナースコールにもすぐには対応してもらえず、治療以外の我慢をしている表情にいたたまれず、「夜は居て」とも言われ、付添いが続きました。でも病棟としては、小学校も中学年にもなれば身の回りのことは自分でやれるように自立面、きょうだい児のケア、長丁場の親の心労に気を配ってくれました。その分看護師の役割が多く、質の担保は気になることもありました。
- 夜間は看護師さんの人数が少ないと感じた。同室の子が、泣きすぎて吐いてしまい、声をかけても30分近く看護師さんが来れない事もあった。冷たい洋服のままで、可哀想だった。
- 初めて付き添いしたので、病院のシステムがよくわからなかったが、看護師さんが忙しそうで、病状以外のことを聞くことがはばかられ、不便なことがいくつかあった。
- もう少し看護師の数が増えたらな〜と思いました。人手が足りてない時が多々あるように感じました。
- 完全看護とうたってはいるが、泣いている赤ちゃんはほったらかしにされていたり、保育士の人数も少なく親が居ないと子供はひとりぼっちになってしまうことが多かった。
- 患者家族の要望を一つ一つ聞きすぎて忙しそう。
その他
- 投薬期間中は経験の浅い看護師さんを担当につけてほしくないです。不安で仕方なかったです。
- 経験の浅い看護師が多い。抗がん剤の取り扱いなど徹底できていない。
- 上の子どもがいるため24時間付き添うことは難しいことでした。ダウン症でもともと障害が重く、言葉がないので、本人は何も要求できません。食事の様子を見られる時があり、赤ん坊に並んで食事を機械的に口に突っ込まれている様子を見てショックを受け、1時間かけて7時の食事に間に合うように通いました。そんな食事をさせていることに疑問を感じていない看護師さん、その他のスタッフの感覚に驚きました。健常な子供にはそれなりに人権ある生活があるように思いますが、障害児には厳しいものを感じました。
- 完全看護とうたっているが、親が付き添っていないと細かなケアができない(CVカテーテルの管理がずさん。おむつも細やかに見れず、タイミング悪ければ2時間位うんちがついたまま)割り切って1~2時間任せる事もできるが心配なので一日中付き添うのが現状。
- 受持看護師の性別を選べないとキツイ
- 子供がやっと寝付いたのに、いきなりカーテンをザザッと開けて話したり血圧測ったり…。もう少し気を使って欲しかったです。
- 衛生面や病院スタッフ(先生、看護師さん以外)の質の悪さがとても感じられました。
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